「管理不全」適正化事例紹介も 10/4第17回合同研修会 横浜市のモデル事業に選定 日管連

投稿日:2024年10月22日 作成者:福井英樹 (26 ヒット)

一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連、瀬下義浩会長)は10月4日、神奈川県横浜市のワークピア横浜で2024年度の第17回合同研修会を開いた。神奈川県、横浜市のマンション施策や区分所有法改正などをテーマにした講演が行われた。

一般社団法人神奈川県マンション管理士会の竹内恒一郎1級建築士は、横浜市の支援制度により管理組合運営を適正化させた管理不全マンションの事例を紹介した。

マンションは築47年で総戸数は15。長年自主管理で7年前に市のモデル事業として竹内氏ら2人が適正化を支援することに。その後さまざまな市の制度を利用し、おととし5月まで支援を継続。終了後は同氏が顧問として運営に関わっている。

当時の課題は▽正式な管理組合がない▽管理規約を誰も見ておらず会計年度の記載もない▽竣工図書がそろっていない▽敷地権がない▽修繕積立金の設定根拠がない▽管理費等を、ほぼ全員が複数月分を適当に振り込んでいるーなど。

竹内氏はまず管理組合の立ち上げを試み、支援に入った4カ月後の18年2月、臨時総会を開き、新しい管理規約を承認した。

神奈川県士会竹内氏が講演 パソコン操作から指南

並行して管理費等収納、会計の適正化に取り組んだ。これまでは「お小遣い帳の会計方式」だったため、毎月の収支報告書や貸借対照表を作成することにしたが、パソコンを使える理事がいない。

パソコンの操作から表計算ソフトの使用方法、ファイルの複製まで会計担当理事にレクチャーし、収支報告書を作成できるようにした。

20年には簡易な長期修繕計画を作成し修繕積立金も3000円から1万円に増額。昨年は市の新事業・長期修繕計画作成促進モデル事業を活用し長期修繕計画を策定した。「財政基盤が脆弱な小規模マンションには非常に大がかりな制度」(竹内氏)だそうだ。

また自主管理から管理委託方式に切り替えた。ここで管理費等の収納問題は完全に解消した。理事の負担軽減も実感したという。

今後は現理事の体力的な問題から外部管理者方式の導入を検討する。敷地権の設定や耐震化も検討課題だ。

以上、マンション管理新聞第1283号より


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