『外部管理者』事業参入へ 三菱UFJ信託銀行 25年度開始を予定
三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱UFJ信託銀行は6月5日、同行が区分所有法上の管理者を受託する外部管理者事業を始めると発表した。理事会は設置しない。新築に加え既存マンションも対象だが「既存組合に対する直接の営業アプローチは考えていない」としている。2025年度開始予定。
同行によれば、サービス名は「PROTHIRD」(プロサード)。同行不動産事業室が担う予定で、業務には外部委託企業も加わる。
協働する外部委託企業、サービス導入条件については「現在検討中」としている。
費用は戸当たり月額数千円の方向で考えている。管理規約の変更など、合意形成の支援を行うかどうかも「検討中」(同行)。
管理者の任期、監事の設置、大規模修繕工事の修繕委員会設置などは国土交通省の『マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン』に沿った対応とする予定。
総会以外で外部管理者に意見を言える場として「区分所有者からの意見を収集できる環境をご提供する予定」(同行)。ガイドラインに規定される、日常管理の工事や取引発注で、総会承認を必須としている総会決議や管理規約で定める一定の契約金額については「検討中だが総会等で協議の上、水準となる金額を規約で定めることを想定している」(同)。
管理組合の口座名義や印鑑・通帳の保管者と保管方法、理事会方式に戻す場合の対応等も、ガイドラインを踏まえて検討する。
ガイドライン踏まえ対応 金融機関の「安心感」売りに
区分所有者には「信用・信頼を基盤とする金融機関が担うという安心感」や明瞭な支払い承認など「堅牢な資金管理により資金着服などの不安がなくなる」、管理会社には理事会支援業務の軽減や意思決定の迅速化、分譲業者には安心できるパートナーとして販売資料に記載できるなどの点を打ち出していく。
将来的にはスマホアプリを活用した各種申請・届け出等の電子化などの検討を進める。
29年3月末に1万戸の導入を目標にしている。
以上、マンション管理新聞第1272号より