遺族側と和解 逗子の管理組合 1億円支払い 斜面崩落 管理会社社員 書類送検も
神奈川県逗子市で2020年2月、マンション敷地の斜面が崩落し市道通行中の高校生が死亡した事故で、遺族がマンションの全区分所有者と管理組合、当時管理業務を受託していた管理会社らに対し、約1億1800万円の損害賠償等を求めた訴訟で、区分所有者・管理組合と遺族の和解が成立した。
遺族側弁護士によれば和解は6月28日付。区分所有者側が総額1億円を支払う内容だ。
管理会社との訴訟は継続する。当初求めた約1億1800万円には年5%の遅延損害金を加えているため、区分所有者側が支払う金額を差し引いた額を請求するという。
提訴は事故から1年後の2021年2月。
同年4月には管理組合側が管理会社、マンション販売会社らを相手に不法行為に基づく損害賠償を求めて横浜地裁に提訴している。
同事故で神奈川県警が6月23日、当時マンションの管理業務を受託していた大京アステージ(本社東京)の男性フロント担当社員を業務上過失致死容疑で書類送検したと一部の報道機関が報じた。
男性社員は事故当時、同社湘南支店でこのマンションを担当していた。送検容疑は斜面に亀裂があることを事故前日に把握していたにもかかわらず必要な安全措置を取らず、20年2月5日午前8時ごろ、事故を引き起こしたとしている。
遺族側は20年6月、管理会社の代表らを県警に刑事告発していた。
同社員が書類送検されるとの報に接し、遺族側代理人の南竹要弁護士は自身の見解をウエブページで示している。
管理業者や従業員は斜面が土砂災害計画区域のイエローゾーンに指定されており、近々レッドゾーンに変更があることを認識していたのだから「普段から崩落の兆候として一般常識とされる、片部のクラックを発見した場合の準則について決めておくべきだった」と指摘。
亀裂発見後、逗子市に連絡し危険情報を共有すべきで、市への一報さえあれば「市が事前に用意している安全準則が発動され、確実に被害者の死亡は避けられた」などと言及している。
検察官については「公益の代表者として管理会社の担当役員や代表者の過失も問うべきであり、今後急速に問題となる民有地設備の老朽化による生命侵害事例の1号案件として真剣に取り組むこと」を求めている。
以上、マンション管理新聞第1241号より