工事費約244万円を水増し 詐欺容疑 元管理員を逮捕 西宮署
兵庫県警西宮署は7月20日、西宮市のマンションで工事費を水増ししてだまし取ったとして、元管理員の長谷川隆広容疑者(49)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。容疑について認めている。
発表によれば、同容疑者は2017年7月5日ごろから18年7月15日ごろまでの間、実際の工事に要した金額であるかのように装い約244万円を水増しした計749万3472円の請求書を理事長に提示し、17年7月25日から18年7月25日に8回にわたり、共犯者の口座に振り込み手数料を除く748万6560円を入金させ、だまし取った疑い。
同署によれば、同容疑者の逮捕は2回目。1回目は6月29日で、同じマンションで同様の手口で犯行に及んでいた。
このときの容疑は17年4月5日ごろから15日ごろまでの間、10万円を水増しした計52万4448円を当時の理事長に請求し同月25日に振り込み入金させ、だまし取ったもの。
同署によれば、被害総額は約5000万円とみており、そのうち約1900万円を同容疑者が受け取っていたとして取り調べ中。
同容疑者は当時住み込み管理員で、約20年前から勤務していた。共犯者はマンションに出入りしていた電気設備の工事者。両者はLED化などの工事費を水増ししていた。
不正が始まったのは1回目の容疑である17年4月ごろ。この業者は取り調べに同容疑者から「話を持ちかけられ指示された」と話しているという。
管理組合の指摘で20年2月ごろ犯行が発覚。同署が相談を受け、今年3月に告訴を受理した。
管理組合の追求に同容疑者は犯行を否定し20年7月ごろ自主退職したという。業者も否定したが、その後行為を認め「全額かどうかは分からないが弁済したと聞いている」(同署)。
このため、逮捕されたのは同容疑者だけだが、業者の取り調べも行っているという。
マンション管理新聞の取材に管理組合役員は「その件はお答えできない」と話している。
このマンションは築53年、153戸。マンションの関係業者によれば同容疑者の勤務時自主管理だった時期もあるといい、犯行当時、委託管理だったかどうかは不明。
以上、マンション管理新聞第1178号より。