TOPIC 「在宅避難」に備え 発電機導入 PSに非常用コンセントも 停電対策で取り組み 「シャンボール三軒茶屋」管理組合 

投稿日:2021年05月17日 作成者:福井英樹 (1710 ヒット)

東京都世田谷区の「シャンボール三軒茶屋」(築43年、123戸+店舗)管理組合は、防災対策として非常用発電機を導入している。災害等による停電時に発電機を稼働させ、電源供給を発電機に切り替えるとエントランスホールなど一部の共用部分照明が点灯する仕組みだ。各住戸のパイプスペースにコンセントも設置し、居住者がそれぞれ電源を取れるようにした。

他にも屋内階段に設置された非常用照明の上部に照明器具を新設し、発電機で電源を供給するようにした。機器代・配線・コンセント設置費なども含め、総工事費は約360万円。

発電機を導入したのは3年前。当時の管理組合理事長で現在は副理事長を務める村井盛彦さんによれば、導入の動機は地域の災害対策だ。

「このマンションが建つ地区の防災計画では災害時『在宅避難』を勧めている。在宅避難をするには電源を確保しないと生活ができない」

そこで非常用に発電機を導入し、共用部分照明の一部と各住戸の電源を確保しようと考えた。

発電機は、屋内に確保した設置場所の面積を考慮した上で容量を決めた。おおむね1回分の燃料で「3~4時間分は賄えるようにしました」(村井さん)。

 

共用部の一部照明も点灯 パイプスペースには1世帯に一つ、非常用として100ボルトのコンセントを設置した。災害などで停電した際は電源を発電機に切り替え、各世帯で照明を使ったりスマートフォンの充電を  できるようにした。災害時「在宅避難」を可能にするための対策だ。

 

屋内階段に照明を新設したのも「在宅避難」のためだ。非常用照明は電源がなくても点灯するがバッテリーが切れれば消灯してしまう。「消灯後」を想定し、発電機から電気を供給できる照明の新設に踏み切った。

発電機は、屋内のごみ保管スペースに設置した。使用方法や電源の切り替え方も掲示し、いざというとき滞りなく使えるようにしている。

保守については「業者から『定期的な運転を行って下さい』と指示があったので年2回の消防設備点検時に運転と通電テストを行っていました」と村井さん。

だが昨年、思わぬトラブルがあった。

おととし9月にテスト運転を行った後、コロナ禍で消防設備点検実施の目途が立たずテスト運転が滞ってしまっていたのだ。

昨年12月、1年3カ月ぶりにテストを行ったがバッテリーが上がってしまっており運転不能に。バッテリーを交換する羽目に陥った。

「素人の甘さ。こんなことでは、いざというときに使えない。いい教訓になった」と村井さんも反省しきりだ。

燃料の軽油をどの程度備蓄しておけばいいのか、といった課題もある。燃料タンクの容量は26リットルだった。

今後はこうした課題にも取り組み、万が一の事態に備える、と気持ちを新たにしていた。

以上、マンション管理新聞第1170号より。

 

 


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