大手20社 ほぼ『通常通り』前回と異なり 大きな混乱無しか 11都道府県に緊急事態宣言 管理受託業務対応
新型コロナウイルス感染者の急増で、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が1月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉の4都道府県に発令された。13日には関西・東海など7府県が加わった。実施期間は、いずれも2月7日まで。宣言の発出を受け、マンション管理業界も対応に努めているが、前回宣言時と比べると業務上の大きな混乱はなさそうだ。
昨年末時点の総合管理受託戸数上位20社における、今回の緊急事態宣言に伴う対応を3面表(省略)にまとめた。
ホームページで各社が公表した資料に加え、ヒヤリングを行い対応などを確認した。管理業務は管理員・清掃業務も含め、ほぼ全ての会社が基本的に通常通りの業務を行う、としている。
ただ、排水管清掃や消防設備点検など専有部分への立ち入りが生じる業務に関しては「管理組合の要望があれば、個別に対応する」とする会社が多い。入室に拒否感を持つ居住者に配慮した形だ。
テレワーク要請で 出社率引き下げも
今回の宣言では「出勤者の7割程度削減」を目指すとし、テレワークやローテーション勤務、時差通勤等、また午後8時以降の外出自粛による勤務体制の抑制を要請している。
テレワークに関しては大手20社は、ほぼ全社が前回宣言以降継続して実施。要請を受け、出社率を3割に引き下げる対応を取る会社もあった(3面表に各社のテレワーク対応(省略))。
勤務体制の抑制は、テレワークなどで一定程度対応済みとなっているケースが多いと考えられるが、問題になるのは「理事会への出席」といった現場業務だ。
社員の理事会出席については管理委託契約書で「午後9時まで」などと出席時間を定めている場合もある。期間中に夜間理事会を開催するケース等では、管理組合に「時短」要請を行う、とする会社もあった。
大手管理会社の社員は、フロント担当社員の理事会出席について「特に指示はない」と話す。ただ、公民館などの公共施設で理事会を開催している場合、緊急事態宣言対象地域では、施設の利用可能時間が午後8時前に変更されたケースが少なくないため、「必然的に8時前に業務が終了する場合もある」。
また緊急事態宣言の実施期間が、現時点では1カ月とされているため「期間中は理事会を開かない」組合もありそうだ。
だが事態を前回ほど深刻に捉えていない管理組合も。都内マンション管理組合理事長は「個人では気にしている方もおられるが、理事会役員は気にしていないので、いつも通り理事会を開く」。
別の理事長は「昨年11月に消防設備点検、排水管清掃に伴う立ち入り業務があったが、業者の入室を気にする人はいなかった」と話す。
以上、マンション管理新聞第1159号より。