屋上防水・外壁、鉄部塗装・タイル 工事保証期間を延長 近鉄住宅管理 大規模修繕で新サービス
近鉄住宅管理(本社 大阪)は10月29日、関西の受託管理マンションを対象に、通常12年程度の大規模修繕工事の周期を17年程度に延伸し工事費削減を図る「Long re-News」(ロング リ・ニューズ)の提供を11月1日から開始すると発表した。高耐久材料を使用するなどして保証期間を延ばし、修繕時期を延伸する。
同社による責任施工が条件で、1回目の大規模修繕工事を実施する受託マンションが対象。同社によれば、劣化・診断調査の結果次第ではサービスを提供できない場合もあるが、受託管理物件なら、親会社の近鉄不動産以外が分譲したマンションでも提供する。
「ロング リ・ニューズ」は、長期保証付き高耐久材料・工法を使用する。
同社によれば、屋上防水工事は、塩ビシート機械固定工法やウレタン防水通気緩衝工法を採用し、同社の通常仕様よりも5年延伸した15年保証。外壁塗装は無機系塗料、シーリングは特殊材料を用いて従来の5年から10年に保証期間を延ばす。
鉄部塗装は通常2年を3年にし、タイル張り替えは、接着工法で2年から5年保証にする。
12年周期が17年に 60年で工事費3割削減と試算
同社が従来の12年周期の大規模修繕工事と比較した60年間のシミュレーションでは、大阪市内の築14年・73戸のマンションの場合、通常仕様では、実施回数は計5回で工事費の累計額は4億5300万円。
17年周期もロング リ・ニューズを採用した場合は計3回に軽減され、工事費累計額は3億3200万円と試算。差額は1億2100万円で12年周期よりも約27%削減できるとしている。
2020年度、3棟程度の受注を目指す。東京や名古屋など関西以外の営業拠点でも順次提供を開始する予定。
以上、マンション管理新聞第1120号より。
大規模修繕工事の周期を国交省が推奨する12年周期ではなく、17年~18年の提案をする管理会社等が増加してきています。ただし、当該事例のように責任施工方式に限るとしている場合が多いかと思われます。
また、劣化調査の結果次第では、雨のかからない箇所については、もっともっと周期を長くしても良いかもしれません。すると、各管理会社が提起してきている削減額よりもさらに削減できる可能性もあるかと存じます。
素人集団の管理組合はあまり管理会社からの提案の額面通りには受け取らない方が良さそうですが、管理委託費だけでは儲けがでていないのは周知の事実となってきておりますので、大規模修繕工事という管理会社の唯一の儲けの機会を奪ってしまうのも問題があるとも思われます。「窮鼠猫をかむ」という表現が適当かどうかは別にして、あまりいじめ抜くと良い方向へは向かわないことも事実です。