築49年以上 管理組合なし 21.4% 長計作成率 7割下回る 東京・台東区実態調査
東京都台東区は6月27日、2018年度に実施した「マンション実態調査」の結果報告書を公表した。調査は20年ぶり。現地調査や管理組合・居住者アンケート調査の結果をまとめた。賃貸マンションも対象。
報告書によれば、区内区分所有建物の所有者は4万9540人。全体の1.5%に当たる756人が登記上の住所が国外にあった。最も多かったのは中国で405人。以下台湾257人、アメリカ23人と続く。
区が把握する3階建て以上の分譲マンションは1861件。このうち現地調査による調査拒否を除いた1844件が調査対象。
1844件のうち店舗・事務所があるものが50.2%と半数強。平均戸数は29.3戸。
外壁の剥落やひび割れなど、部分的または全体的に破損が割合は9.5%。賃貸マンションは14.7%で5ポイント以上差があった。
建築時期で最も多いのは「1981~90年」で23.8%。
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アンケートは1844件中、宛て先不明などを除く1558件を有効配布数とし、920件から回答を得た。回答率59.0%。
管理組合は88.0%が「ある」、8.4%が「ない」。70年以前では21.4%に組合がない。
3カ月以上の管理費の滞納は31.2%が「ある」。建築時期別では81~90年が最多で35.1%。築29年以上では、94.6%に滞納がある。
長期修繕計画は68.4%が作成。45.8%が見直している。未作成は14.5%で、71~80年では32.8%が作成していない。
大規模修繕は、71~80年では11.9%が未実施。70年以前では未実施はないが、無回答も20.0%あった。
3カ月以上の空き住戸があるのは12.3%。
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報告書では調査結果を踏まえ、「ストックの維持管理等」「コミュニティーおよび関係団体との連携」など類型ごとに課題と対応の方向性を整理。ストックの維持管理等では、高齢化による管理に対する意欲の低下や資金力の低下などを危惧している。