2019年版 総合管理受託件数ランキング
マンション管理新聞社は、管理会社各社の2019年3月末現在の総合管理受託戸数の調査を実施した。その結果を「総合管理受託戸数ランキング」2019年版として発表する。部分管理や賃貸管理戸数は集計から除いた。集計した管理会社は502社。
4月1日付で合併や管理事業を譲り受けた管理会社の場合は、吸収されたり事業譲渡した管理会社の3月末時点での受託戸数を合算して集計した。
下段のグループ別ランキングは持ち株などで事実上支配下にある会社の管理受託戸数を総合集計したもの。管理会社上位12社に順位の変化はなかった。あなぶきハウジングサービスが昨年15位から二つ順位を上げて13位になった。昨年7月1日付けで子会社のあなぶきセザールサポートと合併、戸数を増やし12万1930戸でランクイン。伊藤忠アーバンコミュニティも昨年10月1日付けで子会社のICUコミュニティライフと合併。10万6908戸を数え、昨年の16位から15位にランクアップした。上位15社まで10万戸を突破している。
1位の日本ハウジングは45万戸目前、合人社計画研究所は20万戸の大台を超えた。
グループ別ランキング上位15社の顔ぶれに変化はなかった。1位の大京グループと2位の東急コミュニティーグループの差が昨年の1万4325戸から1万1088戸と、3237戸縮まった。
戸数別に見ると30万戸以上4社、20万戸以上1社(合人社計画研究所)増えて8社、10万戸以上は2社(あなぶきハウジングサービス、伊藤忠アーバンコミュニティ)増えて15社に。5万戸以上は1社(東京建物アメニティサポート)増えて22社に、4万戸以上は1社(明和管理)増えて30社に、3万戸以上は37社、2万戸以上は合併で3社(IUCコミュニティライフ、西新サービス、あなぶきセザールサポート)減って、1社(大和地所コミュニティライフ)増えて48社になった。
分譲マンションのストック昨年末時点で、654万戸と見込まれる。上位15社の市場占有率は53.7%で昨年から0.7ポイント増加、グループ別上位15社で見ても61.2%で昨年から0.3ポイント増加し、市場寡占化が一段と進んでいる状況がうかがわれる。
中略
管理委託費見直しの動きが顕著になってきた。管理員や清掃員などの採用難、最低賃金アップ、社会保険関連費用アップ、そして働き方改革の推進などから、受託している管理組合に管理委託費の値上げを依頼する動きだ。適正な収益が見込めない場合は管理継続の辞退を申し出るケースも増えている。大手管理会社の中には、親会社が分譲するマンションの受託管理に徹底し、リプレイスで受託した他社分譲マンションはは、管理組合に自ら解約を申し出ているところもある。
管理会社も管理コストの上昇を指をくわえて見ているわけではない。少しでも上昇コストを自社で吸収できるように事務の効率化に余念がない。例えば、組合会計の業務効率化を目指してウエブ通帳化を進めているところもある。通帳レスにすることで増え続ける通帳保管や外に持ち出しての通帳記入などの業務をなくし、大幅な業務改善と金銭事故防止につなげている。すでに6割までウエブ通帳化を進めている大手管理会社も。AI(人工知能)やIOTを駆使したシステムの開発・運用にも各社は力を入れている。
国を挙げて長命化が叫ばれているが、その達成には「継続的な維持管理」が欠かせない。管理組合と管理会社が知恵を出し汗をかいて良きパートナーシップを構築することが求められている。
1位 前年1位 日本ハウジング 448,774戸
2位 前年2位 大京アステージ 428,633戸
3位 前年3位 東急コミュニティー 338,581戸
4位 前年4位 三菱地所コミュニティー 334,601戸
5位 前年5位 長谷工コミュニティー 275,084戸
6位 前年6位 大和ライフネクスト 265,512戸
7位 前年7位 三井不動産レジデンシャルサービス 205,426戸
8位 前年8位 合人社計画研究所 204,652戸
9位 前年9位 住友不動産建物サービス 190,721戸
10位 前年11位 コミュニティワン 163,916戸
11位 前年10位 日本総合住生活 160,977戸
12位 前年12位 野村不動産パートナーズ 159,784戸
13位 前年15位 あなぶきハウジングサービス 121,930戸
14位 前年13位 穴吹コミュニティ 107,889戸
15位 前年16位 伊藤忠アーバンコミュニティ 106,908戸
以上、マンション管理新聞第1105号より抜粋。