脱法ハウス関連 マンション管理新聞第914号
無断改築をして、脱法ハウスに
東京都文京区音羽の分譲マンションの一室(2DK,37㎡)が、管理組合に無断で6人用の「シェアハウス」に改築されていることが発覚。改築に気付いた組合側が管理規約に基づき不承認としたが、工事は進み、入居募集も始まっていた。都内では、同様の無断改築物件は毎日新聞が確認しただけで他に3件あり、組合側が規約を楯に抵抗しても脱法ハウスを防げない現状が明らかになった。完成前に部屋を立ち入り調査した文京区建築課が「明確な法令違反があるとは言えない」と結論付けていることが分かった。区の担当者は「どこまで踏み込んでよいのか分からない」と話しており、統一的な基準作りを求める声が上がっている。
なお、脱法ハウス398件のうち、国交省が違反と認定したものは32件。同省は実際に是正指導したケースの内訳等を示していないが、居室の狭さや間仕切り壁の耐火性不足などを問題視したとみられる。太田国交大臣は会見で「火災時に多くの居住者に危険が及ぶ。何より安全確保が最優先だ」と強調。7月25日、30日毎日新聞より。
福井英樹マンション管理士のコメント
義務違反者に対する対処法としては、規約を改正するに際して、判例に基づいた、より義務違反の事実に基づいた、より具体的な対処規約に改正することが重要。上記にあるように規約を無視する事例が大半ですが、少なくとも訴訟に発展した場合に、より具体の規約改正が裁判官の判断基準に少なからず影響するものと思われます。