横領事件発覚・逮捕に一役 住民からの相談に対応 顧問弁護士が追及、「自供」へ 県福管連
北九州市のマンション管理組合の預金を無断で計126万5000円引出したとして、福岡県警小倉北署が1月、会計担当の70代の女を業務上横領容疑で逮捕した事件を西日本新聞社が1月16日付朝刊で報じた。
女の逮捕に一役買ったのが、NPO法人福岡県マンション管理組合連合会(県福管連、山内誠一郎会長)だ。
山内会長によれば2022年8月、会員ではなかったが、自主管理だという。当該マンションに暮らす90代の住民が「助けてくれ」と電動シニアカーで相談に訪れた。
賛助会員として県福管連に加入する。同マンションの住民の紹介で訪ねたという。
相談は、管理組合経理に関する内容。預金残高が不明朗で、会計担当の女が「2年以上残高証明書を提出せずパソコンで作成した表を出してくる」というものだった。残高証明書の提出を求めても「忙しい」などと応じてもらえず、県福管連に助けを求めた。
相談対応の中では女から電話があり、山内会長が、相談者に対する罵詈雑言を数十分聞かされる一幕もあったという。
その後、県福管連の顧問弁護士を紹介。同弁護士が預金残高の開示を求め、追及すると女は横領を認めた。その後県福管連を紹介した住民が理事長になり告訴した。
この相談がなければ女の横領行為が続いていた可能性が高く、相談対応がきっかけとなり、管理組合の被害を食い止めた形だ。山内会長は「連携がうまくいった」と話す。会計報告で「残高証明書を出さないのはおかしい。残高証明書は絶対に必須です」と指摘している。
以上、マンション管理新聞第1261号より