第1号は築48年の「アラフィフ」東京都板橋区「高島平ハイツ」 管理計画、初の認定 11項目の独自クリアクリア
国土交通省は6月16日、東京都板橋区の「高島平ハイツ」が管理計画認定制度で全国初の認定を取得したと発表した。同区ホームページの「管理計画認定マンション一覧」や公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定マンション閲覧サイト」にマンション名・所在地が公表されている。認定日は6月16日。制度スタートから2カ月半で認定第1号が誕生したこととなる。
板橋区住宅政策課によれば、高島平ハイツは1974年12月竣工の築48年。9階建て1棟95戸。建築延べ床面積は7975平方メートル。機械式駐車場はない。5月25日に認定申請を受けた。
管理計画の「第1号認定」マンションは、比較的認定を取得しやすいとされる「築浅」ではなく、高経年の「アラフィフ」だった。
同課によれば、申請は管理組合が区に直接申請した。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」による事前確認は利用していない。
区の認定基準は、独自基準の11項目を含め計24項目。区のマンション管理条例で定められた規定を盛り込んでいるため、4月に認定制度をスタートした区市の中では項目が最も多い。
管理組合が直接申請 管理士らのサポートなし
その中で管理計画の認定第1号が「輩出」された点について、課は「旧区分所有法時代のマンションだが、自分たちで情報をつかんで課題に対応してこられた。きちっとやっていれば上乗せ基準もそんなに高いハードルではない」と話している。
修繕積立金の平均額は、国交省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が求める下限値をクリアしており「理由書」の提出はないという。
ガイドラインに基づくと「高島平-」は9階建て・延べ床面積7975平方メートルで「20階未満・延べ床面積5000平方メートル以上1万平方メートル未満」の区分に該当。機械式駐車場がないため同区分の金額の目安として示される1平方メートル当たりの月額は170~320円の幅になる。
築48年で建て替えや敷地売却も考えられるが、同課によると、実施予定はない。管理組合ではマンションを「80年使う想定でいる」。
そもそも管理組合が認定申請したのは「自分たちの管理が本当に正しいのかどうかの確認」(同課)だった。
管理計画認定制度のインセンティブ(誘因策)である「フラット35」や「マンション共用部分リフォーム融資」の金利引き下げなどを狙ったものではないようだ。
管理組合理事長が認定申請前に区に事前相談に来た。区職員が書類のチェックだけでなく、マンションを訪問した。自主管理ではないが、管理会社やマンション管理士のサポートは「受けていない」(同課)。
区では、認定制度が始まった4月に届出制度で把握しているマンションに制度の案内を郵送した。現在区への事前相談などの問い合わせは10件以上。制度案内については6月22日にも発送した。
同課は「ご自分のマンションが一定の基準に適合しているかどうかチェックする、良い機会と捉えてほしい。詳細な部分についてはご相談ください」と話している。
国交省住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当)付によれば、自治体への直接申請で認定された場合、おおむね四半期ごとに国交省が自治体に調査し、認定実績を報告してもらう。
管理組合が公表を了承している場合はマンション管理センターの閲覧サイトでマンション名・所在地等が公表される。
板橋区では4月1日から「いたばし適正管理推進マンション認定制度」も実施している。
認定基準は管理計画認定制度の独自基準と同様。認定対象は管理計画認定を受けたマンションで、今回の高島平ハイツも申請し6月22日で認定を受けている。
認定マンションは管理計画認定マンション同様、区のホームページで紹介される。認定通知書は無料だが、有料で紙製か金属製のアクリルケース付き認定書を交付する。
以上、マンション管理新聞第1207号より。