大規模修繕 工事費用試算できます! 修繕積立金 40年間の収支計画も 住宅金融支援機構

投稿日:2020年10月10日 作成者:福井英樹 (2733 ヒット)

住宅金融支援機構は9月29日、大規模修繕工事における費用の妥当性を判断したり、今後必要になる修繕積立金額を試算できる「マンションライフサイクルシミュレーション~長期修繕ナビ~」を作成し、ホームページに公開した。必要な項目を入力するだけで、平均的な工事費と比較する形で自分たちのマンションの想定工事費が表示されるほか、修繕積立金について今後40年間の収支計画グラフやキャッシュフロー表も作成してくれる。使用は無料。大規模修繕工事業者による見積もり額の比較時、また長期修繕計画見直し時の検討資料として役立ちそうだ。

シミュレーションは2013年~18年に機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を利用した1550件分の工事費データを活用して作成した。このためシミュレーションが出来るマンションの規模は制約がある。

機構では「想定を超える範囲についても利用は可能」とした上で「乖離の幅は大きくなることに留意してほしい」としている。想定範囲は①30階建て以下②平均専有面積100平方メートル以下③100戸以下④単棟型ー。①についてはタワーマンションについては乖離幅が大きくなる、と想定。また団地型の場合、棟ごとに試算するよう呼び掛けている。

「長期修繕ナビ」は規模、築年数などに応じた平均的な大規模修繕工事費用と、今後40年間の修繕積立金の負担額、修繕積立金会計の収支を無料で試算できるツールだ。

工事費用は工事項目ごとに確認できる。結果は1平方メートル当たりの工事費用について、25%値から75%値の間で表示した価格帯の中に示される。

自分たちのマンションの工事費が、平均的な工事費と比べて、おおむねどの程度のポジションに位置しているのか理解できる、というわけだ(写真参照 省略)。

実際の大規模修繕時、業者が提示する見積もり金額が平均と比べ、また試算結果と比べて高い、また安い場合は業者に説明を求める、といった使い方もできそうだ。

収支計画については、40年先まで試算するため、長期修繕計画に示された期間より、さらに将来の負担額を確認できるメリットがある。このため、例えばどの程度の時期までに値上げをすれば無理のない積み立てが可能なのか、といった資金計画の検討資料になる。

融資を利用した場合、返済しながら適正な積み立てができる収支計画も確認できる。

シミュレーションは機構ホームページで公開中。

以上、マンション管理新聞第1150号より。


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