マンションの大規模修繕工事の際に実施する外壁補修工事、屋上防水工事並びに排水管更新工事や更生工事のどれをとっても建築基準法第2条14の「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」ではありません。   福井英樹マンション管理士総合事務所

投稿日:2019年08月11日 作成者:福井英樹 (2406 ヒット)

 排水管更新工事をするのに、1階床ベタ基礎の下に排水管等の各種配管が埋設されているような場合に、当該配管を更新するには、床をはつるか、地下にトンネルを掘って新しくドライピット的な空間を作り、大がかりな工事になり、費用がかさみます。
 さらに、とくに40年以上の高経年マンション等では、排水管横主管が階下の屋根裏にある場合が多く、専有部分の空間に共用部分の配管があったり、また、専有部分内に共用立て管が隠蔽されているマンションも多くあります。
 当該区分所有者や賃借人が全面的に協力してくれれば工事は可能ですが、困難を極めます。
 さらに店舗等であれば、休業せざるを得ない場合が多く、その上、更新工事を行うには室内の壁や床などの建築付帯工事が必要となるため、工事費用がさらにかさみ、室内作業の日数も長くなるなど日常生活への大きな負担が強いられるため、「最短で当日に施工が完了する」、「付帯工事も少ない」、「排水制限などの日常生活への影響も少ない」、「更新工事と比較して圧倒的に費用が安い」等の理由で、更新工事ではなく、ハードルの低い更生工事を行うことが現実的であり、多くのマンションで更生工事が実施されているのが現状です。
 最近の更生工事は進化を続けており、高経年の穴のあいた老朽管でもパイプの中にパイプを作る工法が各社競い合っており、上記の更新工事が現実的でない現状を踏まえて、10年保証をはじめ、最長では工事内容にもよりますが20年保証をする業者も出てきています。
 さらに、更生工事は一度すると二度目の更生工事は不可であったのが一般的ですが、二度目の再再ライニングも施工可能とする専門業者も現れています。
 一度、ネット上で専門業者を検索してみてください。クオリティの高い専門業者が数社存在しています。
 見積もり等を取る場合には、各社は施工サンプル(カットサンプル)を持っていますので、担当者に当該サンプルを持参させて、詳細なプレゼンをさせるのもおすすめです。
 築40年~50年以上のマンションにお住まいの方、漏水事故リスク軽減のために一日も早い更生工事の検討をおすすめいたします。


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