解体設計費用計上へ 市議会で予算化 9年前には県が勧告 滋賀・野洲のマンション
滋賀県野洲市が空家対策特別措置法に基づく特定空家等に認定したマンション(築47年、9戸)について、同市は3月22日まで開会している市議会で、このマンションの解体の実施設計費用を予算化する予定だ。
市の住宅課は「議会の最終日に提案して採決をいただければというつもりでいる」と話している。
一方、同法に基づく解体命令に先立ち、市が区分所有者に交付した意見書等の提出などの機会を与える通知書に対しては3月12日現在、区分所有者から意見書や市に対して公開による意見聴取の請求は来ていないという。
この通知を郵送した3月1日、市は特定行政庁の滋賀県に対し、9年前に建築基準法上の勧告を行ったが放置しているとして、その説明と同法に基づく必要な措置を取るよう依頼する文書を提出した。現在県と協議している。
県建築指導室によれば、通報を受けて外壁落下の恐れがあったため、2008年6月に区分所有者に安全の確保や調査して報告するよう文書で指導した。その約2年後の10年1月、アスベストの飛散の恐れもあるとして、同様の措置を取った。
当時もマンションは空き家で、指導や勧告に対して区分所有者から「報告書が提出されたという記録はない」(同室)という。
同室は今後「具体的にどういう対応が一番いいのか野洲市と相談の上で取っていきたいと考えている」としている。
以上、マンション管理新聞第1099号より。