エレベーター二重ブレーキ 設置率 19.9%止まり 改修設置は2万5684台 国交省

投稿日:2018年11月22日 作成者:福井英樹 (2270 ヒット)

 国土交通省は11月6日、エレベーターにおける戸開走行保護装置(二重ブレーキ)の設置状況を公表した。2017年度定期検査報告が実施された68万1057台のうち、二重ブレーキが設置されていたのは13万5768台。設置率は19.9%にとどまった。前回調査比で2.5ポイント増。このうち2万5684台は改修などによる任意設置だった。
 二重ブレーキは戸が閉じる前にかごが昇降した際、自動的にかごを制止し利用者が挟まれる事故を防ぐ装置。2009年の改正建築基準法施行令施行以降に設置されたエレベーターには取り付けが義務づけられているが、施行前のエレベーターについては設置義務はない。
 同省は二重ブレーキ設置促進や状況把握のため、17年度から調査を行っている。
以上、マンション管理新聞第1088号より。
 2006年(平成18年)に、東京港区で高校生がエレベーターを降りようとした際に、戸が開いたまま突然上昇し、天井部分と床に挟まれて死亡するという傷ましい事故が発生しことは記憶に新しいです。
 当時、多くの物議を醸し出し、エレベーターの安全性について改めて見直されるきっかけとなり、国土交通省が、同様の事故が発生することを懸念して、事故後、各エレベーター保守点検会社に、フルメンテやP・O・G等の契約内容にかかわらず、一斉にロープ等の点検を実施させたところ、ほとんどの業者が、不良箇所があると報告してきたというところからも、適正な時期に部品の交換が実施されていない実態が明らかになりました。
 にもかかわらず、12年後の現在でも、上記の現状です。既存不適格だから設置義務はないといって、放置していると、甚大な事故につながりかねません。
 さらに、「地震時管制運転装置」も2009年から法制化されており、去る大阪北部地震の際には、同装置が設置されているエレベーターでさえも多くの閉じ込め事故が発生しているという事実があります。閉じ込め事故の半分が同装置を設置していたようです。だからといって、設置しなくてもよいという論理は成り立ちません。最低限の安全装置を設置していないとさらに閉じ込めのリスクが増すことは間違いありません。


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