『中破』数棟も大被害なし 大阪北部地震から2週間 管理会社にヒアリング 地震保険 一部損も
最大震度6弱を記録した大阪北部地震から約2週間。現状などを大阪に本社がある管理会社8社に聞いた。被害を調査中の会社もあるが、理事会への被害内容の報告や、一部では地震保険の査定が始まっている。建物の調査を終えて、社会問題化しているブロック塀について調査中の会社もあった。
6月末までに技術社員による建物の被害調査を完了した、306棟を管理している管理会社では89棟で被害があった。ただ「大破や中波はなく、被害が大きいものでも小破だった。順次理事会への報告をしているところ」だと話す。
地震保険を付保している管理組合はあるが「順次査定に入ることになるが、恐らく一部損にもならないので保険で補修費用をカバーするのは難しい」としている。
この管理会社では現在、管理物件の外構などで倒壊する危険性があるブロック塀があるかどうかの調査も行っている。
被害調査の結果、中破1棟、小破以下14棟だった600棟弱を管理する管理会社は、既に被害の概要は理事長に提出済みで、この会社も現在は理事会への報告に取り掛かっている。
建物の被害は、エキスパンションの破損や外壁のひび割れが中心で「地震保険に入っているのは3分の1もない」とし、この会社も「一部損にもならないのではないか」とみている。
527棟を管理している管理会社は「大きい被害でも中破。小破や軽微な被害が多い」としている。大半が付保している地震保険の査定も一部で始まっており、数件で一部損に認定されたという。
約400棟を管理している管理会社は、被害状況の概要版を理事会に提出済みで、7月から被害程度が比較的大きい50棟ほどの2次調査を開始した。どの部位をどれだけ補修できるかなどを管理組合に報告する。
地震保険を付保しているケースは少ないというが「今回の地震で入りたいという機運が生まれて問い合わせがある」そうだ。
地震から10日で被害調査をほぼ終えた、近畿で約430棟を管理する大手管理会社は、約150棟でクラックなどの被害があったが、いずれも甚大な被害はなかった。「現状は理事会への報告書をまとめているところ」だという。
地震保険は半分近くが付保しているが「クラック程度では保険はおりないかもしれない」という。
約200棟中10棟で被害があった管理会社は「地震保険はおりても一部損だろうから、これから補修費用を賄えるかどうかみることになる」という。
エレベーターの使用不能を含めて約230棟で被害があった管理会社でも、小破以下だったという。地震保険は基本的に付保しているが、一部損にもならない可能性があることを「保険会社から聞いている」。
まだ調査中の1894棟を管理している管理会社は「今のところ軽微な被害ばかり」という。
エレベーターは7社ですべて復旧したが、1社によると給水管破損による水漏れに伴い、かご内に冠水しているなどの被害があった数件で、まだ復旧できていない。
以上、マンション管理新聞第1076号より。
この度の「平成30年7月豪雨災害」により、被害を受けられた皆様に心より、お見舞い申し上げます。
当該西日本豪雨災害は土砂災害としてははじめての「特定非常災害」に指定されました。一日も早い復興をお祈りしています。
さて、マンションでの地震保険加入の是非については、過去の大地震を経験し、大きな被害を受けられた被災者は異口同音に語っておられます。「地震保険に入っていて本当によかった!」と。