『倍額ルール』で民泊許可 ヤミ民泊が横行 規制するより「合理性高い」「藤和エクシール道玄坂」管理組合 管理費・修繕積立金
民泊、認めますー。東京・渋谷の「藤和エクシール道玄坂」(築37年、91戸+店舗9)管理組合は5月25日に開いた定期総会で「民泊」ができるルールを定めた。このマンションは投資型。数年前から、いわゆる「ヤミ民泊」が横行していたが、住宅宿泊事業法の施行を考慮し、正式に民泊を認めることにした。
管理組合理事長の横山宏克さんは「今も民泊を行っている住戸は相当数あるが、実数は把握しきれていません」と、マンションの現況を説明する。実際、総会当日も、エントランスにはキャリーバッグを引く外国人の姿があった。
管理組合では「ヤミ民泊」への対処も検討したが、「取り締まっても、『いたちごっこ』になるリスクもある。それなら民泊をできるようにした上で縛りをかけた方が合理的ではないか」(横山さん)と結論を出した。法に基づく民泊なら、認めた方がマンションの資産価値向上にも寄与する。といった考えもあったようだ。
そこで昨年の総会で、民泊を認めるかどうかについては使用細則に定める旨の規定を管理規約に追加。1年かけ検討を重ね、この日の総会で民泊を認める条文を使用細則に追加した。
細則では、民泊を行う区分所有者には法に基づく届け出や管理組合への連絡先の明示などを義務付けたほか、管理費・修繕積立金を通常の倍額収めてもらうようにした。
「ヤミ民泊」を行った場合は、管理費・修繕積立金の5倍相当額を徴収する決まりだ。
横山さんは「『倍額』分については、ごみ問題や必要があれば人員の確保なども含め、民泊に対応するための財源にしようかと考えています」と説明する。すでに民泊を行いたい旨の届けも出ているという。
総会では、民泊の許可を踏まえ、館内の防犯カメラを1フロアにつき2基増設することも決めた。
「民泊については、地元保健所とタッグを組んで、がっちりやります」(横山さん)と対応に余念はない。
以上、マンション管理新聞第1073号より抜粋。
すでに本年3月15日から、届け出の受付が開始され、本年6月15日に施行された「住宅宿泊事業法」ですが、当該管理組合のように、頭から、「正式に民泊を認める」という「逆転の発想」も管理を徹底していく上においては「あり」かもしれません。ただし、投資型マンションに限った方がよさそうです。