今年のトレンドである1/17最高裁判決その後 マン管新聞第893号
投稿日:2012年12月21日 作成者:福井英樹 (2030 ヒット)
単なる個人への中傷を越え、管理組合の業務遂行や運営に支障が生じるなどして、マンションの正常な管理・使用が阻害される場合、「建物の管理・使用」に関する行為には当たらないとされた中傷ビラを配布する行為も「共同の利益に反する行為」に当たる余地がある、と判じた1月の最高裁判決は、11月25日のマンション管理士国家試験や翌週の管理業務主任者国家試験でも、当該判例を元にした出題があり、今年のトレンドとなった事件だが、実は、当該最高裁判決は、直接判断せずに、審理を東京高裁に差し戻していた。差し戻しの判決はその後3月28日に言い渡されていて、結果は管理組合の全面勝訴。井上繁規裁判長は、管理組合を誹謗中傷する内容の文書の配布、管理組合の取引先に対する業務妨害行為、マンション関係者に対する暴行・嫌がらせ、といった行為は[単なる特定の個人に対する誹謗中傷、業務妨害、嫌がらせなどの行為の域を超えるというべきである」と認定した上で、最高裁が示した判断基準に従い、「正常な管理・使用が阻害されているのは明らか」と判断し、同行為を「共同の利益に反する行為だ」と結論付けた。主文では、相手方区分所有者に行為の禁止を命じている。判決は4月14日に確定していた。